燦燦 |
黒い雲が覆いかぶさる 青く、太陽の出ていた空はいつの間にか暗くなっている 果敢無い想いがふりかかる ほら 冷たい雨が降り始めた そこを角がろうとした時だった。 アスランとカガリが話していて・・・。立ち聞きなんてだめだって分かってるんだけど、立ち聞きをしてしまった。 「俺はお前を守るから・・・」 そんなセリフが、アスランの口から出ていたのをしっかりとこの耳で捕らえた。 と同時に自分の耳を疑った。 前にアスラン、僕にも言ったよね?そのセリフ。 それは、嘘? 何年も一緒に居てくれて、好きっていってくれて、抱きしめてくれたよね・・・ 僕よりカガリをとっちゃうの? ――…………‥ 唇を交し合った2人が頭から離れなかった。 どうしてなんだろ・・・ なんでなんだろ・・・ もう、僕よりカガリの方が大切なのかなぁ・・・ もう、僕には愛想尽きたのかな・・・ 何かを含ませているような雨 何かを埋め込み、大事なものを奪う冷たさ 冷たい雨はこの肌を伝い、染み込んでいく とりあえずはフリーダムに乗らなくては・・・ 気づくと、普段から身についている反射神経で咄嗟に体が動く。 キラは搭乗機へと急いだ。 「キラ・ヤマト フリーダム、行きますっ!」 戦闘態勢に入っても、やはりショックが大きかったのか・・・あの2人の姿が頭から離れなかった。 搭乗しても頭から離れない。 なんでなんだろ。 どうしてなんだろ・・・ やだ・・・・ しかし、敵機を見ながらキラは自分に言い聞かせるように呟いた。 だめ・・・ こんな自分、艦に迷惑かけるだけだ・・・ この小さな箱が 冷たい雨にふられている 滴が染み込み、潰れていく箱 コーディネイターならではの頭脳が働く。 出た結論。 「 」 でも、自分からは出来ないから・・・、我侭まのは分かってるよ。 ・・・でも、どうか最期の我侭・・・だけどうか、叶えさせて――・・・ キラは知っている 人は、大切にしているモノを守りたいと想う時 その人の本領発揮がされるという事を、その人が美しくも輝く事を・・・ いつかの自分もそうだったから。 キラは知らなかった アスランに大切にされている事を、一番愛されている存在である事を キラは、知らない 箱から流れていく あなたとの思い出のメロディが・・・ ドコに行くの? 最後にアスランが僕に向けてくれる声が聞きたい。 「・・・っ」 それでも、何の言葉も出てこない。考えた挙句、出てきた言葉 「お気をつけて・・・カガリと共に・・・」 ふりしぼった末の答えだった。 醜いなぁ・・・僕・・・ それとは裏腹のアスランの声が返ってきた、少し笑いを含んだ・・・。 「何言ってるんだ?キラも、だろ?」 そんなセリフ、唯の言葉にしか過ぎないよ・・・ ここから2人で見た あの場所 あの夢、あの刻 愛しくも、果敢無い想い どうするかは決まっている、それは神が定めたように。 「運命は自分で変えていく」 誰の言葉だっけ? だけど、もう無理だよ・・・。 冷たい涙が頬を伝う。 後は行動に出るだけ。 僕は苦しさから逃れるために、ストライク ルージュに近づく。 サーベルを引こうとしたその時。 やはり、アスランはやってきた。 「カガリ――――っ」 キラにも聞こえる声。 昔は自分だけに紡がれていた言葉の音色。 ・・・・・・・・・・・・ 僕はゆっくりと、静かに箱のふたをかぶせた。 ヒトは何時も何かに迷い、何かに彷徨う 答えを見つけようと・・・ 掛け替えのないのない刻を、手探りの中 見つけられないと 分かっていても 気づいた時は遅かった。 今まで、培われてきた反射神経を止める事をアスランにはできなかった。 近づく、まばゆい光。 自分を殺そうとする――― こうして、僕は終わりを迎えられた・・・ありがとう、アスラン。 唯一つ、次に生まれた時こそ アスランの傍に居させてください・・・。 お幸せに・・・・・・愛し合う人と共に…・・・ こう思ったと同時に、眩い光はコックピットを破壊した。 「キラぁ―――――――――――っっ!!!」 ココロに冷たく重たい想いを飛ばす 冷たい雨と涙 小さな箱から 流れていく 二度と戻ることのない 潰れた箱 フリーダムを破壊へと導いた光は、 何かに飲み込まれるように消えていった。 赤い光を灯すように。 それから何年も先かもしれないし、そう近い未来なのかもしれない。 戦争の終わった、平和という道へ人々が踏み出したとき ある女性に亜麻色の髪とアメジストの色をいた瞳を持った子がうまれた。 名前は勿論とでもいうように「キラ」と名付けられた。 父親から向けられる笑顔に幼いキラはキャッキャッと声をあげる。 幼いキラに今、瞳に映る世界 そして両親は・・・ 落とせるものを おとしきり すっきりした様に 雲は消え、青い空を覗かせた。 小さく 生まれたての箱 沢山の愛情とおもいを めいいっぱい受けて 美しく輝いていって・・・ 生まれ変わった小さな箱。 |
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