大切なこと。

第13話*悲しみ















年が明けた。
テレビが騒いでいる。
それでも,キラの心の中は空っぽだった。

結局,アスランには何も言わずに家を出た。
置手紙ひとつ残さずに。

またいつものように仕事がはじまって,忙しくなる。
いつものように。
それでも,傍にアスランがいない。
心が遠くても距離的には直ぐ近くにいたのに。

それでも。
いつかは忘れるのかな。
アスランのこと。
忘れるのかな。
アスランが,自分のことをきっと少しずつ忘れるように。
自分も。
忘れてしまうなんて。
なんて悲しいことなのだろう。
あんなにも時間を重ねていたのに。
結局は過去に葬られるだけの,意味のない時間だったのだろうか。
無駄な時間。
自分の中では,そんなことはなかったと思いたい。
アスランと過ごした日々は大切で,大切で。
誰にも譲ることの出来ないもの。
アスランの妻となるような人であっても。
決して。
でも,苦しいのも本当。
アスランのことを思うことは,自分の中では苦しいことになる。
苦しいことを持ちながら,日々を暮らすなんてそんな器用なこと。
きっと出来っこないだろうから。
少しずつ忘れようと思う。

時間が経てば解決すると,信じているから。





















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