第5章 Be painful now , but tomorrow surely...... 5
ひどく喉が渇く。
夜になって気温も下がっているはずだが、キラの身体からは始終汗が出続けている。
意識は朦朧としており、今自分がどうなっているのか分からないけれど、ひどくしあわせな気持ちだ。
身体が熱くて熱くて、もじもじしていたら、アスランが身体を繋げてくれて、何度も求めてくれた。
今は隣にいないけれど、少ししたら戻ってくるから、という言葉を残してどこかに言ったのだから、もう直ぐ戻ってくるのだろう。
クリスマスに初めてしてもらったときより激しかったけれど、自分の身体もひどく熱かったから、それくらいで丁度よかった。
視界はぼんやりとしていて、はっきりと何かを判断することは難しい。
頭の中にかかった靄も晴れないけれど、それでも身体はひどく心地いい。
気持ちいい。
「お嬢ちゃん、気分はどうだい。」
いつの間にか、アスランが戻ってきたらしい。
ちっとも気付かなかった。
「そろそろ切れるころだかんな、もう一回入れてやるよ。これも純なやつなんだぜえ。そうだなあ、こんどは下のお口から入れてやるよお。」
また、気持ちよくなれる。
そう思うと、ひどく心臓の音がばくばくと鳴っているように思えた。
小さな粒のようなものを、男の手がキラの秘口に押し付ける。
そうして、それをぐりぐりと膣内に押し付け、全てが溶けたことを確認すると、男の膨張した男根を一気に入れ込んだ。
「う、ん……んあ……。」
何度も、そして複数の人間がその器で欲望を爆ぜていったために、そこは白いもので溢れて、それが潤滑になっている。
卑猥な音をさせて、男は全てを一度突き入れ、その狭さと締め付けを十二分に味わった後に、激しく挿入を繰り返した。
最初は正面から突いていたが、途中でバックに体勢を変え、十分に抜き差しをした後、男は欲望をその中で吐き出した。
それが終わったのを待っていたかのように、ベッドの傍で今か今かと順序を待っていた男が、瞳の空ろな少女の腰をがっちりと捕まえ、膨らんだそれを突き立てる。
そうして、時に白い粒を入れられ、何人の男が欲望を果たしていく。
意識は混濁し、それは沼地の奥底をゆらゆらと漂っていて、ただ快感だけが、キラの身体を満たしていた。
しかし、その羊水の中をゆるゆるとしているような感覚が次第に少しづつ抜けていき、
それと同時に身体ががくがくと震える。
目がぎんぎんと冴えていき、ひどく身体が何かを要求しているのが、分かった。
けれども、それが何かは分からず、イライラとして、繋がれたままの腕を動かすが、思うように動かず、力が入らない。
霧がかった思考の中で、少しだけ現れるのは、ここは知らない場所であるということと、自分が何者かに連れ去られたということだ。
しかし、それを考える力は働かず、水面下を出たり入ったりしたまま、それ以上に何も頭には浮かんでこない。
それより、身体は酷く飢えている。
「うああああ……。」
呂律も回らず、出てきた声は、喉元から吐き出すような唸り声だった。
それを、どこからかやってきた女の人が、聞いて笑ったのが、キラの耳にははっきりと聞こえた。
けれども、思考力も判断力も何もかも停止した彼女には、何も理解することも出来なかった。
「いい気味だわ。もっと苦しみなさい。私はもっと苦しんだんだから。」
そう言って、その白い手が、キラの頬を撫でた。
「あんなに綺麗だったのに、ああかわいそうな子。ねえ、きっと大切にされていたんでしょう。」
そう言って、彼女の視線はむき出しになった、キラの性器を見て、一瞥する。
「誰の子かも分からない人間の子でも孕めばいいのよ。それよりも、エイズの心配かしら。」
そう高らかに女は言うが、それは全くキラの耳に届かない。
欲求だけが身体を支配するのか、呻き声を口から吐き出す。
「あんたの父親に父の会社は見放され、大好きだった先生はあんたに夢中なんて、本当に、本当に、あんたが憎いわっ。」
そう言って、キラの左手の薬指に嵌められた指輪を憎憎しげに取り上げる。
乱暴に取り上げたが、その感覚もないのか、キラは全く反応しなかった。
「こんな、こんなもの……。」
光るそれが、ひどく眩しく、そして腹が煮え刳るほどに憎らしい。
どうして、自分ではなく、こんな、自分よりも見栄えのしない子が、ザラ先生は選んだのだ。
自分の方が綺麗だし、美しい。
社長娘で家族に愛され、恋人に大事にされ、挙句その恋人は、自分がハイスクール入学前からずっと想いを寄せていたひとであるだなんて、運命が恨めしい。
汚く呻く人間の前を離れ、女は格子の間から窓を開け、外へその指輪を投げ捨てる。
それは、照った太陽に照らされてきらりと光った後に、地面へと急速に落ちていった。
「死ねとは言わないわ。だけど、もっと、もっともっと苦しだらいいのよ。」
そう吐き捨てて、彼女は部屋を出て行き、そのビルを後にした。
キラの行方が分からなくなってから大凡三十時間が経過したところで、ラクスが関連性の大きいものを見つけた。
アスランに連絡は取れなかったために、留守番電話を入れ、またメールも送っておく。
それから、父が入用にしているうちの数人のボディーガードと、また警察関連に職している人間を連れ、都内から離れたビルへと迫った。
きれいにされているビルとは言えず、雑居ビルの上に、貸している店舗は、一階にあるワンフロアだけで、それ以外は無人化しているようだ。
そこには以前から、表には出て来れないような、人間が屯しているらしく、そこにパキラ学園の生徒であり、且つヤマトの会社の下請けにあたる子会社を経営する娘が何度か出入りしていたという情報を掴んだのだ。
その下請けにあたっていた子会社は、先日ヤマト会社の方から契約を切られたようである。
会社自体は、破産状態であるが、その銀行から借入金などは、その家の母親側の親族が貿易会社を経営しているために、そこから金を借り入れるという形で、収まっているらしい。
その、生徒がそこで見つかるかは分からないが、その周辺でそれらしきひとが確認されていること、またそこに不審な車が止まり、そこからひとが運び込まれたという情報が入り、ラクス本人もそこへと向かっている。
寂れたビルの前に車をつけ、連れてきたガタイのいい男を連れて、ラクスは建物内へと入った。
順々にフロアを回っていくが、どのフロアも無人、そして管理がきちんとされていないためにか、関係のない人間が立ち入って、何かをしている形跡がある。
もしかしたら、このビルでは何も見つからないのかもしれない、とそんな思いが過ぎるが、最上階フロアが未だだと、気を取り直す。
扉を開けると、そこには大きなフロアが広がり、奥にまた扉がある。
このフロアだけは、下層とは違い、頻雑に何者かの出入りがあったようだ。
そこには、ひとが住んでいる雰囲気が十二分に流れている。
そこを通り抜け、奥の扉に手をかけると、人間のものと思しき呻き声が聞こえる。
嫌な予感が胸を通り過ぎ、思い切ってその扉を開けるが、鍵が掛けられているらしく、錠がされており、開けることは敵わない。
そこで、連れてきた力のある男たちに扉を開けてもらう。
何度かの体当たりの後、扉が外れ、その後にラクスは部屋の中に走りよる。
そこにはひとつだけベッドか置かれ、その上に少女が腕をベッドの頭に取られて呻いていた。
もしかしたら、と思って用意したものを鞄から取り出す。
封を開け、必要な手順を取ってから、準備したものを彼女の口に入れ、唾液を十分に付ける。
それに液体を数滴振り、反応を見る。
簡易の検査キットではあるが、一体それが真実が否かは、彼女の状態を見るからに明らかではあるけれども。
少しの望みを掛けての検査であったが、それはやはり陽性を示していた。
深いため息は飲み込み、ラクスは立ち上がる。
「ここでは覚せい剤を使用していた結果が見えました、隣の部屋を虱潰ししてください。監査の方をお呼びします。それから、あなた方は、彼女を運んでほしいです。」
そう言って、まず、呻き続けるキラを静かにさせるべく、栄養剤の入ったゼリーを飲ませ、それと一緒に睡眠薬を飲ませる。
そして彼女の腕と、ベッドの頭に括りつけられているロープを切った。
「きっと、彼女は暴れると思いますので、車まで、誰にも見えないように気をつけて運んでください。行き先は、私の方で指示します。」